WordPress 7.1 が、本日8月19日にリリースされました。日程は WordCamp US の最終日に合わせてあるそうで、Field Guide は8月5日に公開されています。正式版を待つ前に、手元の Local に RC を入れて何が変わるのかを見ておいたのが、8月10日でした。
結果から言うと、いちばん最初に気づいたのは、Field Guide の見出しに並んでいる機能ではありませんでした。管理画面の左メニューに、見慣れない項目が増えていたことのほうです。それも、増えていたと思ったものの大半が 7.1 とは関係なかった、という遠回りつきで。
2026年8月19日 追記|正式版で確かめました
本番サイトと Local の両方を正式版に上げました。下の本文で「まだ入っていない」と書いた翻訳は、入っています。Identity 画面の SITE TITLE も、固定ページ一覧の Drafts と Trash も日本語になりました。以下のスクリーンショットは、8月10日・RC2 時点の記録として残します。
デザイン画面の構成は RC2 と変わりませんでした。ブロックテーマで6項目、クラシックテーマで2項目のままです。
自作プラグイン7本も、7.1 の環境で動かして問題は出ませんでした。Tested up to: 7.1 に更新しています。Cocoon は8月16日にアップデートが出ていて、そちらで対応が済んでいたようです。なお、日本語パッケージが落ちてくるかどうかは、今回は管理画面から更新したので確かめていません。
8月10日|日本語版の RC が落ちてこない
最初につまずいたのは、更新そのものでした。WP-CLI から入れようとして、こうなります。
| 1 2 3 4 | $ wp core update --version=7.1-RC1 Updating to version 7.1-RC1 (ja)... https://ja.wordpress.org/wordpress-7.1-RC1-ja.zip から更新をダウンロード中... Error: ダウンロードに失敗しました。 |
URL を見ると wordpress-7.1-RC1-ja.zip を取りに行っていて、そこで404になっているようでした。日本語のローカライズ版は正式リリースに合わせて作られると聞いていて、RC の段階では英語のパッケージしか置かれていない。WP-CLI はサイトの言語設定を見て ja を付けにいくので、素直にそこで落ちます。
ロケールを明示して英語パッケージを取りにいけば通りました。管理画面が英語になるわけではなく、言語設定は WordPress 側に残ったままで、日本語の言語パックが別途あたります。ただし、あたらない部分が残る。それは後の節に出てきます。
素の状態でないと、何も分からなかった
更新が通ったので管理画面を開きました。左メニューに、フォント、個人データのエクスポート、個人データの消去、Scheduled Actions、AI という項目が見えます。7.1 で増えたのだと思って、そのままメモを取り始めました。
ここで手が止まったのは、Scheduled Actions に見覚えがあったからです。あれは Action Scheduler というライブラリが「ツール」の下に出す画面で、WooCommerce をはじめ、いくつものプラグインに同梱されている。コアの機能ではないはずです。そう気づいて、他の項目も疑うことにしました。
プラグインを全部止めて、テーマをデフォルトに戻したら、AI のメニューが消えました。有効化していた ai というプラグインが持ち込んでいたものです。個人データのエクスポートと消去は 4.9.6 から標準で入っている項目でした。フォントも、7.0.3 で動いている別の Cocoon サイトの外観メニューに同じものがあります。つまり 7.1 の変更ではありません。
目に入った5つのうち、7.1 由来はひとつもありませんでした。検証用の Local には33本のプラグインが入っていて、そのうち19本を有効にしたまま「7.1 で増えたもの」を見ようとしていたわけです。自分の環境が、自分の観察を汚していた。振り返ると、ここで30分ほど使っています。RC を触るなら、素の状態をひとつ用意してから比べる。当たり前のことを、当たり前にやっていませんでした。
14:47|外観に「デザイン」という入口ができている
素の状態で見直して、最初に目に入ったのがこれでした。左メニューの外観の下に「デザイン」という項目があります。開くと、Identity、スタイル、固定ページ、ナビゲーション、パターン、テンプレートが縦に並ぶ画面が出ます。

サイトタイトル、キャッチフレーズ、ロゴ、サイトアイコンが1か所に集まっている。
Identity には、サイトタイトル、キャッチフレーズ、サイトロゴ、サイトアイコンが集まっていました。これまで「設定 → 一般」とカスタマイザーに分かれていた項目です。新しいサイトを立ち上げるとき、この4つはたいてい最初にまとめて触るものなので、1か所にあるのは理にかなっている。ただ、既存のサイトを保守している側からすると、設定の在り処が変わるのは影響が小さくありません。私は12件の WordPress サイトを見ているので、この画面が出た瞬間に、頭の中で「どのサイトから確認するか」を数え始めていました。
同じ画面から、パターンとテンプレートも触れます。パターンの一覧には、ヘッダー、フッター、固定ページ、投稿、注目といったカテゴリが並んで、全部で63件ありました。

やっていること自体は、これまでのサイトエディターと地続きのようです。ただ、入口の名前と場所が変わると、体感はかなり違います。外観の下に並ぶ項目のひとつになったことで、テーマの設定を触る流れの中に自然に入ってきました。
日本語が、まだ入っていない
Identity の画面を見ていて、もうひとつ気づいたことがあります。項目名が SITE TITLE、SITE TAGLINE、SITE LOGO のままで、説明文も Displays in your site's layout via the Site Title block. と英語で出ている。サイトアイコンのところだけ日本語になっていて、その下の説明はまた英語です。
固定ページの一覧も同じでした。左に並ぶフィルタが、公開済み、予約済み、保留中、非公開は日本語なのに、Drafts と Trash だけ英語のまま残っています。

Drafts と Trash だけが英語のまま残っている。
これは不具合ではなく、翻訳がまだ入っていないだけです。新しい画面の文字列は、コアの開発が固まったあとに翻訳が回ってくるので、RC の時点では未訳が残る。日本語版の RC パッケージが配布されていないことと、同じ話の両端だと思います。
私は WordPress.org の Japanese locale で Project Translation Editor をやっていて、他の方が出したプラグインの翻訳を承認する側にいます。それでいて、コアの新しい画面に翻訳が入る前の状態を自分の目で見たのは、たぶん初めてでした。正式版までに埋まる場所を、いま見ている。承認する側にいるのに、埋める側の議論を追いきれていない自分に気づきました。
14:52|Tabs と Playlist
Field Guide で新しいブロックとして挙がっているのが、Tabs と Playlist の2つです。エディタでスラッシュコマンドを打つと、どちらも候補の先頭に出てきました。


Tabs はタブで内容を切り替えるブロック、Playlist は音声ファイルを並べて再生するブロックです。どちらも、これまではプラグインを入れるかショートコードを書くかしていた領域で、コアに入ったこと自体が変化だと思います。ただ、実際に使うとなるとテーマ側のスタイルとの相性が出るはずです。本番の Cocoon に置いたときにどう見えるかは、まだ確かめていません。
管理バーについても書いておきます。スクロールしても上部に出たままになりました。長い記事を書きながら管理画面を行き来する人には、これがいちばん体感が変わるかもしれません。
15:06|Cocoon に戻して確かめる
ここまで見てきたのは Twenty Twenty-Two、つまりブロックテーマでの話です。私が普段使っているのは Cocoon で、こちらはクラシックテーマです。デザイン画面がブロックテーマ限定なら、Cocoon を使っている読者には関係のない話になります。そこを確かめないまま書くわけにはいかないので、テーマを Cocoon に切り替えました。
出ました。ただし中身が違います。

Cocoon では、デザイン画面の中身がスタイルとパターンの2つだけになりました。Identity も、固定ページも、ナビゲーションも、テンプレートも出てきません。プレビュー枠には、Cocoon が描画した実際のサイトが、サイドバーごと表示されています。

クラシックテーマでは、スタイルとパターンの2項目だけになる。
これはこれで、意味のある変化だと思いました。クラシックテーマの上でも、ブロックのスタイルとパターンを管理する画面が使えるようになる。Cocoon は Cocoon 設定という独自の設定画面を持っていて、そちらで大半のことができるので、住み分けがどうなるかはこれから見えてくるところです。
15:08|外観メニューの並び
Cocoon での外観メニューは、テーマ、デザイン、カスタマイズ、ウィジェット、フォント、メニュー、背景、テーマファイルエディターという並びになりました。

カスタマイズが残っているのが要点です。デザインが増えても、カスタマイザーが消えたわけではない。クラシックテーマを使っている限り、これまでの操作はそのまま続けられます。増えた入口をどう使うかは、あとから考えればいい。
フォントもここに並んでいますが、これは前に書いたとおり 7.1 の変更ではありません。7.0.3 で動いているサイトにも同じ項目があります。並びが変わると新しく見える、という話でした。
確かめられなかったこと
Field Guide には、メディアのアップロードをブラウザ側で処理する仕組みも挙がっています。大きめの画像を入れてみましたが、何が変わったのかは体感できませんでした。処理が速くなったのか、サーバーの負荷が減ったのか、判断できるだけの材料が取れていません。ここは書ける状態にありません。
それと、この記事の本文とスクリーンショットは、8月10日の RC2 で取ったものです。冒頭の追記に書いたとおり、翻訳とデザイン画面については正式版で確かめ直しました。日本語パッケージが WP-CLI から落ちてくるかどうかだけは、管理画面から更新したので確かめていません。
配る側として、何を見たか
私は WordPress.org にプラグインを公開している側でもあります。メジャーバージョンが出ると、readme の Tested up to をどこまで上げるかを決めなければなりません。あの数字は「このバージョンで動かしました」という宣言なので、上げた以上は責任が発生します。
7本を 7.1 の環境で動かして、問題は出ませんでした。管理画面も、設定の保存も、フロント側の出力も、7.0 のときと同じです。Composer を同梱しているものが2本ありますが、そちらも黙って動いています。Tested up to: 7.1 に更新しました。
テーマ側も同じでした。Cocoon は8月16日にアップデートが出ていて、そこで対応が済んでいたようです。リリースの3日前です。本番サイトを上げたときに身構えていたのですが、何も起きませんでした。
ここまで静かだったのは、7.1 の変更が管理画面の入口に寄っていて、テーマやプラグインが触っている層まで降りてこなかったからだと思っています。デザイン画面が増えても、the_content のフィルターや設定の保存先が変わったわけではない。保守する側から見ると、そこがいちばん安心できる点でした。
次の RC でも使うコマンド
7.1-RC1 はもう配布が終わっているので、これを叩く場面はありません。ただ、日本語環境で RC が落ちてこないという形は、メジャーリリースのたびに繰り返します。次に 7.2 の RC を触るときのために、バージョンだけ置き換えれば使える形で残しておきます。
| 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 | # 日本語環境ではこれが落ちる(-ja のパッケージが無いため) wp core update --version=7.2-RC1 # ロケールを明示して、英語パッケージを取りにいく wp core update --version=7.2-RC1 --locale=en_US # 入ったバージョンを確認する wp core version # 素の状態にして、増えたものを比べる wp plugin deactivate --all wp theme activate twentytwentysix # テーマを切り替えて、クラシックテーマでの見え方を確かめる wp theme activate cocoon-master |
下4つは RC に限らず使えます。とくに wp plugin deactivate --all は、この記事でいちばん時間を無駄にした場面の答えです。増えたものを数える前に、これを先に打っていれば30分は浮いていました。
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