WordPress 7.1 を RC2 で触った。増えたメニューの大半は 7.1 のものではなかった

WordPress 7.1 の変更点。外観メニューに増えた「デザイン」の入口を表したアイキャッチ WordPress
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8月19日に WordPress 7.1 が出ます。リリース日は WordCamp US の最終日に合わせてあるそうで、Field Guide は8月5日に公開されました。手元の Local に RC を入れて、何が変わるのかを見ておこうと思ったのが今日です。

結果から言うと、いちばん最初に気づいたのは、Field Guide の見出しに並んでいる機能ではありませんでした。管理画面の左メニューに、見慣れない項目が増えていたことのほうです。それも、増えていたと思ったものの大半が 7.1 とは関係なかった、という遠回りつきで。

検証したのは 7.1-RC2-63161。Local by Flywheel 上に2サイト用意して、片方はテーマ Twenty Twenty-Two、もう片方は Cocoon を入れています。Gutenberg プラグインは入れていないので、以下の画面はコアのものです。正式版で挙動が変わる可能性は残ります。

8/10|日本語版の RC が落ちてこない

最初につまずいたのは、更新そのものでした。WP-CLI から入れようとして、こうなります。

ダウンロードに失敗しました、とだけ返ってくる。URL を見ると wordpress-7.1-RC1-ja.zip を取りに行っていて、そこで404になっているようでした。日本語のローカライズ版は正式リリースに合わせて作られると聞いていて、RC の段階では英語のパッケージしか置かれていない。WP-CLI はサイトの言語設定を見て ja を付けにいくので、素直にそこで落ちます。

ロケールを明示して英語パッケージを取りにいけば通りました。管理画面が英語になるわけではなく、言語設定は WordPress 側に残ったままで、日本語の言語パックが別途あたります。ただし、あたらない部分が残る。それは後の節に出てきます。

8/10|素の状態でないと、何も分からなかった

更新が通ったので管理画面を開きました。左メニューに、フォント、個人データのエクスポート、個人データの消去、Scheduled Actions、AI という項目が見えます。7.1 で増えたのだと思って、そのままメモを取り始めました。

ここで手が止まったのは、Scheduled Actions に見覚えがあったからです。あれは Action Scheduler というライブラリが「ツール」の下に出す画面で、WooCommerce をはじめ、いくつものプラグインに同梱されている。コアの機能ではないはずです。そう気づいて、他の項目も疑うことにしました。

プラグインを全部止めて、テーマをデフォルトに戻したら、AI のメニューが消えました。有効化していた ai というプラグインが持ち込んでいたものです。個人データのエクスポートと消去は 4.9.6 から標準で入っている項目でした。フォントも、7.0.3 で動いている別の Cocoon サイトの外観メニューに同じものがあります。つまり 7.1 の変更ではありません。

目に入った5つのうち、7.1 由来はひとつもありませんでした。検証用の Local には33本のプラグインが入っていて、そのうち19本を有効にしたまま「7.1 で増えたもの」を見ようとしていたわけです。自分の環境が、自分の観察を汚していた。振り返ると、ここで30分ほど使っています。RC を触るなら、素の状態をひとつ用意してから比べる。当たり前のことを、当たり前にやっていませんでした。

8/10 14:47|外観に「デザイン」という入口ができている

素の状態で見直して、最初に目に入ったのがこれでした。左メニューの外観の下に「デザイン」という項目があります。開くと、Identity、スタイル、固定ページ、ナビゲーション、パターン、テンプレートが縦に並ぶ画面が出ます。

WordPress 7.1 の「デザイン」画面の Identity。SITE TITLE、SITE TAGLINE、SITE LOGO、サイトアイコンが1画面にまとまっている

サイトタイトル、キャッチフレーズ、ロゴ、サイトアイコンが1か所に集まっている。

Identity には、サイトタイトル、キャッチフレーズ、サイトロゴ、サイトアイコンが集まっていました。これまで「設定 → 一般」とカスタマイザーに分かれていた項目です。新しいサイトを立ち上げるとき、この4つはたいてい最初にまとめて触るものなので、1か所にあるのは理にかなっている。ただ、既存のサイトを保守している側からすると、設定の在り処が変わるのは影響が小さくありません。私は12件の WordPress サイトを見ているので、この画面が出た瞬間に、頭の中で「どのサイトから確認するか」を数え始めていました。

同じ画面から、パターンとテンプレートも触れます。パターンの一覧には、ヘッダー、フッター、固定ページ、投稿、注目といったカテゴリが並んで、全部で63件ありました。

やっていること自体は、これまでのサイトエディターと地続きのようです。ただ、入口の名前と場所が変わると、体感はかなり違います。外観の下に並ぶ項目のひとつになったことで、テーマの設定を触る流れの中に自然に入ってきました。

8/10 14:47|日本語が、まだ入っていない

Identity の画面を見ていて、もうひとつ気づいたことがあります。項目名が SITE TITLE、SITE TAGLINE、SITE LOGO のままで、説明文も Displays in your site's layout via the Site Title block. と英語で出ている。サイトアイコンのところだけ日本語になっていて、その下の説明はまた英語です。

固定ページの一覧も同じでした。左に並ぶフィルタが、公開済み、予約済み、保留中、非公開は日本語なのに、Drafts と Trash だけ英語のまま残っています。

WordPress 7.1 の固定ページ一覧。左のフィルタで「公開済み」「予約済み」は日本語だが Drafts と Trash が英語のまま表示されている

Drafts と Trash だけが英語のまま残っている。

これは不具合ではなく、翻訳がまだ入っていないだけです。新しい画面の文字列は、コアの開発が固まったあとに翻訳が回ってくるので、RC の時点では未訳が残る。日本語版の RC パッケージが配布されていないことと、同じ話の両端だと思います。

私は WordPress.org の Japanese locale で Project Translation Editor をやっていて、他の方が出したプラグインの翻訳を承認する側にいます。それでいて、コアの新しい画面に翻訳が入る前の状態を自分の目で見たのは、たぶん初めてでした。正式版までに埋まる場所を、いま見ている。承認する側にいるのに、埋める側の議論を追いきれていない自分に気づきました。

8/10 14:52|Tabs と Playlist

Field Guide で新しいブロックとして挙がっているのが、Tabs と Playlist の2つです。エディタでスラッシュコマンドを打つと、どちらも候補の先頭に出てきました。

WordPress 7.1 のエディタでスラッシュコマンド /t を入力し、候補の先頭に Tabs ブロックが表示されている

WordPress 7.1 のエディタでスラッシュコマンド /p を入力し、候補の先頭に Playlist ブロックが表示されている

Tabs はタブで内容を切り替えるブロック、Playlist は音声ファイルを並べて再生するブロックです。どちらも、これまではプラグインを入れるかショートコードを書くかしていた領域で、コアに入ったこと自体が変化だと思います。ただ、実際に使うとなるとテーマ側のスタイルとの相性が出るはずで、そこは正式版が出てから本番のテーマで確かめるつもりです。

管理バーについても書いておきます。スクロールしても上部に出たままになりました。長い記事を書きながら管理画面を行き来する人には、これがいちばん体感が変わるかもしれません。

8/10 15:06|Cocoon に戻して確かめる

ここまで見てきたのは Twenty Twenty-Two、つまりブロックテーマでの話です。私が普段使っているのは Cocoon で、こちらはクラシックテーマです。デザイン画面がブロックテーマ限定なら、Cocoon を使っている読者には関係のない話になります。そこを確かめないまま書くわけにはいかないので、テーマを Cocoon に切り替えました。

出ました。ただし中身が違います。

Cocoon(クラシックテーマ)で開いた WordPress 7.1 のデザイン画面。左には「スタイル」と「パターン」の2項目だけが並び、右のプレビューには Cocoon が描画したサイトが表示されている

クラシックテーマでは、スタイルとパターンの2項目だけになる。

Cocoon では、デザイン画面の中身がスタイルとパターンの2つだけになりました。Identity も、固定ページも、ナビゲーションも、テンプレートも出てきません。プレビュー枠には、Cocoon が描画した実際のサイトが、サイドバーごと表示されています。

WordPress 7.1 のデザイン画面が、ブロックテーマでは6項目、クラシックテーマでは2項目になることを並べて比較した図

これはこれで、意味のある変化だと思いました。クラシックテーマの上でも、ブロックのスタイルとパターンを管理する画面が使えるようになる。Cocoon は Cocoon 設定という独自の設定画面を持っていて、そちらで大半のことができるので、住み分けがどうなるかはこれから見えてくるところです。

8/10 15:08|外観メニューの並び

Cocoon での外観メニューは、テーマ、デザイン、カスタマイズ、ウィジェット、フォント、メニュー、背景、テーマファイルエディターという並びになりました。

Cocoon を有効にした WordPress 7.1 の外観メニュー。テーマ、デザイン、カスタマイズ、ウィジェット、フォント、メニュー、背景、テーマファイルエディターが並ぶ

カスタマイズが残っているのが要点です。デザインが増えても、カスタマイザーが消えたわけではない。クラシックテーマを使っている限り、これまでの操作はそのまま続けられます。増えた入口をどう使うかは、あとから考えればいい。

フォントもここに並んでいますが、これは前に書いたとおり 7.1 の変更ではありません。7.0.3 で動いているサイトにも同じ項目があります。並びが変わると新しく見える、という話でした。

確かめられなかったこと

Field Guide には、メディアのアップロードをブラウザ側で処理する仕組みも挙がっています。大きめの画像を入れてみましたが、何が変わったのかは体感できませんでした。処理が速くなったのか、サーバーの負荷が減ったのか、判断できるだけの材料が取れていません。ここは書ける状態にありません。

もうひとつ、確認したのは RC2 です。正式版で挙動が変わる可能性は残ります。とくに翻訳は、8月19日までに入るはずのものなので、この記事に載せた英語のままの画面は、正式版では違って見えるかもしれません。

使ったコマンド

日本語環境で RC を入れるときに使ったものをまとめておきます。

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この記事を書いた人
rapls

WordPressのプラグインを作っているフリーランスエンジニアです。Web開発はもう6年以上。WordPress.orgで Rapls AI Chatbot、Thanks Mail for Stripe、Rapls PDF Image Creator、Prime Cache の4本を公開し、保守を続けながら、日本語ロケールの翻訳エディター(PTE)も務めています。このブログに書くのは、現場で自分が実際にハマって、調べて、直した話です。

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