「また最初から説明するの…?」
Claude Codeを使った開発で、何度この絶望を味わったでしょうか。
昨日3時間かけて詰めた設計方針。今朝セッションを開いたら、Claudeは何も覚えていない。「前回の続きから」と言っても、「申し訳ありませんが、前回のセッションの内容にはアクセスできません」と返される。
仕方なく、また一から説明し直す。プロジェクトの構成、採用した技術スタック、昨日決めた命名規則、なぜその実装方針にしたのか——。
この無駄な時間、もう終わりにしませんか?
GitHubで11,000スター超。開発者が熱狂する理由
2025年12月13日、あるプラグインがGitHubで24時間で949スターを獲得し、開発者コミュニティを騒然とさせました。
その名は「claude-mem」。
わずか4ヶ月で11,000スター超。Claude Codeユーザーの間で「コンテキスト管理の決定版」「神プラグイン」と呼ばれ、爆発的に広まっています。
なぜこれほど支持されているのか? 答えはシンプルです。
claude-memは、Claude Codeに「記憶」を与えます。
セッションが終わっても、翌日になっても、1週間後でも——Claudeはあなたのプロジェクトを覚えています。昨日のバグ修正、先週の設計判断、先月の調査結果。すべてが検索一発で蘇ります。
「50回の壁」を知っていますか?
Claude Opus 4.5は20万トークンのコンテキストウィンドウを持っています。一見、十分すぎる容量に思えます。
しかし現実は残酷です。
ファイルを読む、Gitを操作する、検索を実行する——Claude Codeでツールを1回実行するたびに、1,000〜10,000トークンが消費されます。つまり、たった50回程度のツール実行で20万トークンは枯渇するのです。
さらに悪いことに、Claude Codeの/compactや自動コンパクト機能は完璧ではありません。2025年を通じて「コンパクト後に重要な情報が消えた」「Python環境の設定を何度も説明し直す羽目になった」という報告が相次いでいます。
長時間のコーディングセッション。複雑なリファクタリング。大規模プロジェクトの保守——。
本気で開発に取り組むほど、この「50回の壁」にぶつかります。
claude-memが実現する「革命的な解決策」
claude-memのコンセプトは、驚くほどシンプルで、驚くほど強力です。
“One AI takes notes about what another AI does.”
(あるAIが、別のAIの作業をメモする)
Claude Codeが作業している横で、別のAIが静かに観察し、重要な情報を自動的に記録していく。設計判断、バグ修正、調査結果、実装の経緯——すべてが「観測ログ」として蓄積されます。
そして次のセッション開始時に、過去の記憶が自動的に注入される。
あなたは何もする必要がありません。
手動でメモを取る必要なし。CLAUDE.mdを編集する必要なし。ただ普通に開発するだけで、Claudeはプロジェクトの歴史を覚えていてくれます。
従来のアプローチとの決定的な違い
| 項目 | CLAUDE.md(手動) | /compact | claude-mem |
|---|---|---|---|
| 記録方法 | 手動で書く | 自動要約 | 自動観測+AI圧縮 |
| 情報の永続性 | ファイルに残る | セッション終了で消失 | 永続保存 |
| 検索性 | なし | なし | 自然言語で検索可能 |
| 運用負荷 | 高い | なし | なし(完全自動) |
| 情報の質 | 書いた分だけ | 要約で劣化 | 完全保存+要約 |
導入はたった2コマンド。30秒で完了
これほど革新的なツールなのに、導入は驚くほど簡単です。
Claude Codeを起動して、以下を入力するだけ。
/plugin marketplace add thedotmack/claude-mem
/plugin install claude-mem
Claude Codeを再起動すれば、もう動いています。
BunランタイムもSQLiteも自動インストール。設定ファイルの編集も不要。Windows、macOS、Linux、すべてで動作します。
30秒後には、あなたのClaude Codeは「記憶」を持っています。
設定でさらに使いこなす
claude-memはインストール直後から動作しますが、設定をカスタマイズすることで、より自分好みの運用が可能になります。
設定ファイルの場所
初回起動時に、以下の場所に設定ファイルが自動生成されます。
~/.claude-mem/settings.json
Windows の場合は C:\Users\ユーザー名\.claude-mem\settings.json です。
主要な設定項目
設定ファイルを開くと、以下のような項目があります。
{
"CLAUDE_MEM_MODEL": "claude-sonnet-4-5",
"CLAUDE_MEM_WORKER_PORT": 37777,
"CLAUDE_MEM_CONTEXT_OBSERVATIONS": 50,
"CLAUDE_MEM_CONTEXT_SESSION_COUNT": 10
}
| 設定項目 | 意味 | おすすめ設定 |
|---|---|---|
| CLAUDE_MEM_MODEL | 観測生成に使うAIモデル | 品質重視なら claude-opus-4-5、速度重視なら claude-haiku-4-5 |
| CLAUDE_MEM_WORKER_PORT | Web Viewerのポート番号 | デフォルト 37777。競合時に変更 |
| CLAUDE_MEM_CONTEXT_OBSERVATIONS | 1回のセッションで注入する観測数(1〜200) | 多すぎるとノイズ、少なすぎると情報不足。50前後がバランス◎ |
| CLAUDE_MEM_CONTEXT_SESSION_COUNT | 参照する過去セッション数(1〜50) | 長期プロジェクトは多めに。10〜20程度が目安 |
設定変更の手順
設定を変更する場合は、以下の手順で行います。
~/.claude-mem/settings.jsonをエディタで開く- 変更したい項目を編集して保存
- Claude Codeを再起動(設定を反映)
設定ファイルが存在しない場合は、claude-memを一度起動すると自動生成されます。
よくある設定シナリオ
シナリオ1:観測の品質を上げたい
観測の要約が薄い、ズレると感じる場合は、モデルをアップグレードします。
"CLAUDE_MEM_MODEL": "claude-opus-4-5"
Opusは生成品質が高い代わりに処理が遅くなります。速度と品質のトレードオフを考慮してください。
シナリオ2:ポートが競合している
「ポート37777が使用中」というエラーが出る場合は、別のポートに変更します。
"CLAUDE_MEM_WORKER_PORT": 37778
変更後はClaude Codeを再起動してください。
シナリオ3:長期プロジェクトで過去を深く参照したい
数ヶ月にわたるプロジェクトでは、参照するセッション数を増やします。
"CLAUDE_MEM_CONTEXT_SESSION_COUNT": 30
これにより、より古いセッションからも情報を引き出せるようになります。
データの保存場所
claude-memのすべてのデータは、以下のディレクトリにローカル保存されます。
~/.claude-mem/
このディレクトリには以下のファイルが含まれます。
| ファイル/フォルダ | 内容 |
|---|---|
settings.json |
設定ファイル |
observations.db |
観測データ(SQLite) |
chroma/ |
ベクトル検索用データ |
logs/ |
動作ログ |
外部サーバーへの送信は一切ありません。完全にローカルで動作し、プライバシーが守られた設計です。
バックアップの取り方
~/.claude-mem/ ディレクトリ全体をコピーすれば、バックアップ完了です。
# macOS / Linux
cp -r ~/.claude-mem ~/backup/claude-mem-backup
# Windows(PowerShell)
Copy-Item -Recurse $env:USERPROFILE\.claude-mem $env:USERPROFILE\backup\claude-mem-backup
端末を移行する場合も、このディレクトリを新しい端末にコピーすれば、記憶をそのまま引き継げます。
「3層検索」——トークンを10倍節約する魔法
claude-memの真価は、記録するだけでなく「賢く思い出す」ところにあります。
過去のログを全部読み込む? それは最悪のアプローチです。トークンが溶け、必要な情報が埋もれ、Claudeの回答精度が落ちる。
claude-memは違います。人間が記憶を思い出すように、段階的に必要な情報だけを取り出します。
ステップ1:search(まずは索引を見る)
「認証まわりのバグ修正を探して」と言えば、関連する観測のタイトル一覧が返ってきます。1件あたり約50〜100トークンと超軽量。まずは「何があるか」を把握します。
ステップ2:timeline(流れを掴む)
気になる観測が見つかったら、その前後の時系列を確認。「なぜその結論に至ったか」「その後何が起きたか」という因果関係を掴みます。
ステップ3:get_observations(必要な分だけ詳細を取得)
本当に必要な観測だけ、完全な詳細を取得。1件あたり約500〜1,000トークンですが、厳選された情報なので無駄がありません。
この3層構造により、約10倍のトークン節約を実現。
「全部読み込んでコンテキストが溢れる」問題とは無縁です。
6つの「観測タイプ」で情報を自動整理
claude-memは、記録した情報を自動的に分類します。
| タイプ | 内容 | こんなとき役立つ |
|---|---|---|
| decision | 設計判断・選定理由 | 「なんでこの実装にしたんだっけ?」 |
| bugfix | バグの原因・修正・再発防止 | 「このバグ、前にも直したよね?」 |
| discovery | 調査結果・仕様確認 | 「あのAPI、どんな仕様だったっけ?」 |
| feature | 機能実装の経緯 | 「この機能、どう実装したか説明して」 |
| refactor | リファクタリング内容 | 「なぜこの構造に変えたの?」 |
| change | その他の変更 | 「最近何を変えた?」 |
「bugfixで検索」「decisionをtimelineで見る」——タイプを指定するだけで、欲しい情報にピンポイントでたどり着けます。
実戦で効く7つの使い方
1. 「昨日決めた仕様、なんだっけ?」を一瞬で解決
昨日の自分が何か決めた。でも理由を忘れた——。
claude-memなら、「decisionタイプで検索 → timeline → 詳細」の3ステップで即解決。「結論」だけでなく「なぜそう決めたか」まで蘇ります。
2. 「このバグ、前に直したよね?」の再発を防ぐ
似たバグが再発。どこをどう直したっけ?
bugfixで検索すれば、過去の修正履歴が一覧で出てきます。原因、修正箇所、再発防止策まで。同じ地雷を二度踏まない仕組みが、自動的に構築されていきます。
3. 調査結果を資産化する
「あのAPI、仕様どうだったっけ?」「あのライブラリの癖、なんだったっけ?」
discoveryタイプに蓄積された調査結果が、未来の自分を助けます。体感として、discoveryを活用できる人ほど開発速度が上がります。
4. 実装の経緯を説明できるようになる
「この機能、どう実装したの?」とPRレビューで聞かれる。クライアントから経緯を問われる。
featureタイプとtimelineを組み合わせれば、実装の流れを正確に説明できます。「怖くて触れないコード」が減っていきます。
5. 迷った分岐点を記録する
A案とB案で迷った。結局A案にしたけど、なぜだったか未来の自分に残したい。
claude-memは、あなたが言語化した判断理由を自動的に観測として保存します。「当時の前提」が変わったとき、判断を更新しやすくなります。
6. プロジェクト復帰のコストを激減させる
しばらく触っていなかったプロジェクトに戻る。別案件から復帰する。
直近の観測を軽く検索 → timelineで流れを掴む。これだけで「復帰コスト」が劇的に下がります。複数プロジェクトを回している人ほど効果を実感します。
7. 「言った言わない」をなくす
クライアントやチームで「あのとき何を決めたっけ?」という議論になる。
decision観測を根拠として参照すれば、「言った言わない」問題が解消します。会話で決めたことが、検索可能な証跡に変わります。
プライバシーも万全。<private>タグで機密を守る
「便利そうだけど、機密情報が保存されるのは困る」
ご安心ください。claude-memにはプライバシー保護機能が組み込まれています。
<private>
APIキー: sk-xxxxx
本番DBのパスワード: xxxxxx
</private>
<private>...</private>で囲んだ内容は、セッション中は使えるが、データベースには保存されません。検索にも出てきません。
「残すもの」と「残さないもの」の境界を明確にすることで、安心して運用できます。
Web Viewer UIで記憶を可視化
ブラウザでhttp://localhost:37777にアクセスすると、蓄積された記憶をビジュアルに確認できます。
- リアルタイムタイムライン:現在進行中のセッションから過去まで時間軸で表示
- 自然言語検索:「認証のバグ修正」で関連する観測を一発検索
- 観測IDでの直接参照:特定の観測にURLでアクセス可能
プロジェクトの「知識資産」が目に見える形で蓄積されていく——これは想像以上に気持ちいい体験です。
※ポート番号を変更した場合は、http://localhost:変更後のポート番号でアクセスしてください。
トラブルシューティング
claude-memが動作しない場合
- Claude Codeを再起動する:インストール後は再起動が必要です
- プラグインの状態を確認:
/plugin listでclaude-memが表示されるか確認 - ログを確認:
~/.claude-mem/logs/にエラーログがあります
Web Viewerにアクセスできない場合
- ポートが競合している可能性があります。
settings.jsonでCLAUDE_MEM_WORKER_PORTを別の番号に変更してください - ファイアウォールがlocalhostへの接続をブロックしている場合があります
観測が生成されない場合
- APIキーが正しく設定されているか確認してください
- 一部のツール実行は
SKIP_TOOLS設定で除外されている可能性があります(上級者向け記事で解説)
FAQ:よくある質問
Q. Claude Code以外でも使える?
現時点ではClaude Codeのプラグインとして設計されています。Claude Codeのライフサイクルフックを利用しているため、他の環境では動作しません。
Q. データはどこに保存される?
~/.claude-mem/ディレクトリにローカル保存されます。外部サーバーへの送信は一切ありません。完全にプライバシーが守られた設計です。
Q. 容量はどれくらい使う?
プロジェクトの規模や使用頻度によりますが、一般的な開発で数十MB〜数百MB程度です。SQLiteファイルなので、必要に応じてバックアップや移動も簡単です。
Q. チームで共有できる?
技術的には可能ですが、ライセンス(AGPL-3.0)の確認が必要です。チーム導入を検討している場合は、上級者向け記事で詳細を解説しています。
Q. 最初に何をすればいい?
インストールしたら、あとは普通に開発するだけ。観測は自動的に蓄積されます。数セッション後に「〇〇を検索して」と言ってみてください。過去の記憶が蘇る感動を味わえます。
Q. 検索がうまくいかないときは?
検索語を変えてみてください。ファイル名、機能名、エラーメッセージ、バグの症状など、別の切り口でアプローチすると見つかることが多いです。
Q. 設定ファイルが見つからない
claude-memを一度起動すると、~/.claude-mem/settings.jsonが自動生成されます。まだ一度もclaude-memを使っていない場合は、Claude Codeを起動して何か作業してみてください。
開発者の声
「Claude Codeのコンテキスト管理問題は解決済み。claude-memがその解決策」
「24時間で949スター獲得という成長速度を見ると、Claude Codeエコシステムでの重要性が伺える」
「完全自動という点で、手動管理の手間を完全に排除している」
(参考:Zenn、note等の開発者コミュニティより)
さらに深く知りたい方へ
この記事では「導入」「設定」「基本的な使い方」を解説しました。
より深く運用したい方は、上級者向け記事をご覧ください。
- Hook駆動アーキテクチャの詳細
- SQLite + FTS5 + Chroma Vector Databaseの検索設計
- SKIP_TOOLSによるノイズ除去
- 運用で差がつく「観測の型」(decision/bugfix/discovery)
- Endless Mode(Beta):ツール実行回数を20倍に拡張する実験的機能
- チーム導入・運用ポリシーの策定
まとめ:もう「最初から説明」は終わりにしよう
claude-memは、Claude Codeの最大の弱点だった「記憶がない」問題を根本から解決します。
- 2コマンドで導入完了
- 完全自動で観測を蓄積
- 設定で自分好みにカスタマイズ可能
- 3層検索でトークンを10倍節約
- プライバシー保護機能つき
- GitHubで11,000スター超の実績
「また最初から説明するの…?」
その絶望は、今日で終わりです。
30秒後には、あなたのClaude Codeは「記憶」を持っています。
参考リンク
- 公式サイト:https://claude-mem.ai/
- GitHub(公式):https://github.com/thedotmack/claude-mem
- 公式ドキュメント:https://docs.claude-mem.ai/introduction
- note(体験・紹介):https://note.com/masa_wunder/n/n7cc0614ed7f8
- Zenn(Endless Mode解説):https://zenn.dev/tenormusica/articles/claude-mem-endless-mode-context-limit-2025
注意事項
本記事は2026年1月時点の情報に基づいています。仕様・挙動は将来変更される可能性があります。導入は自己責任で行い、重要な環境では事前にバックアップを取得してください。
APIキー・個人情報・機密情報は<private>...</private>で囲み、永続化されないようにしてください。
claude-memのライセンスはAGPL-3.0です。チーム導入・改変・配布を検討している場合は、公式のライセンス表記を確認してください。



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