【中級者向け】AIプロンプト設計の実践大全|分解・評価・反復で”再現性”を作る

AI プロンプトのコツ AI
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この記事でできるようになること
・「当たり外れ」を減らし、AIの出力を安定させる
・いきなり完成品を狙わず、分解→評価→反復で精度を上げる
・Rubric(評価基準)を使って、チューニングを再現可能にする
・”差分指示”で修正スピードを上げる
・実務・制作に転用できるテンプレを手元に残す

  1. はじめに:中級者の壁は「うまい一発」ではなく「再現性」です
  2. 1. 中級者がハマる”伸びない理由”
    1. 1-1. 「良いプロンプト」を探し続けてしまう
    2. 1-2. 出力を評価できていない(直し方が毎回バラバラ)
    3. 1-3. AIに判断させすぎている
  3. 2. 設計の基本6要素(初心者の4要素+2)
    1. 2-1. Rubric(評価基準)とは何か
    2. 2-2. Process(進め方)は”やり直し前提”にすると強い
  4. 3. 2ターン(設計→実装)で一気に安定する
    1. 3-1. ターン1:構成案を3つ出させる
    2. 3-2. ターン2:採用案で本文を書かせる(Rubric込み)
    3. 3-3. 2ターン方式のメリット
  5. 4. Rubric(評価基準)の作り方:採点できる言葉にする
    1. 4-1. Rubricの作り方(3ステップ)
    2. 4-2. 用途別Rubric例
    3. 4-3. AIに自己採点させる(便利だが使いどころ注意)
  6. 5. 差分指示の技術:修正が速い人の共通点
    1. 5-1. 差分指示テンプレ
    2. 5-2. “良い差分指示”の条件
    3. 5-3. ズレの種類から直すテンプレ
  7. 6. 反復プロトコル:やり直しを前提にする
    1. 6-1. 反復の基本プロトコル(おすすめ)
    2. 6-2. “改善の順番”を誤ると沼る
  8. 7. ケース別テンプレ(記事/要約/企画/コード/調査)
    1. 7-1. 記事:構成→本文→検査の3点セット
    2. 7-2. 要約:目的別に出力を分ける
    3. 7-3. 企画:大量生成→評価→絞り込み
    4. 7-4. コード:原因切り分けを”最短ルート”で
    5. 7-5. 調査:推測で埋めさせない
  9. 8. 幻覚(それっぽい誤り)を抑える指定
    1. 8-1. 幻覚対策フレーズ(コピペ)
    2. 8-2. 「ここは自信がない」を出させる
  10. 9. チートシート(1枚まとめ)
    1. 最短フレーム(中級者版:6要素)
    2. 最強の型:2ターン(設計→実装)
    3. 差分指示テンプレ
    4. 幻覚対策フレーズ
  11. 10. まとめ:中級者は”うまい依頼”より”改善できる仕組み”を持つ
  12. 11. チェックリスト(中級者版)
  13. 12. FAQ(中級者版)
    1. Q1. 2ターンに分けると遅くなりませんか?
    2. Q2. Rubricはどれくらい細かく作るべきですか?
    3. Q3. 差分指示がうまく書けません
    4. Q4. AIの答えが冗長になりやすいです
    5. Q5. 調査系で誤りが混ざるのが不安です
    6. Q6. 初心者と中級者の違いは何ですか?
    7. Q7. 実務でRubricを使う時間がありません

はじめに:中級者の壁は「うまい一発」ではなく「再現性」です

AIに慣れてくると、テンプレをコピペするだけでは満足できなくなります。理由は単純で、やりたいことが複雑になり、結果の品質が求められるからです。

中級者がよくぶつかる壁は次のようなものです。

  • 同じ依頼でも回答のムラが出る
  • “それっぽい”けど、決め手に欠ける
  • 修正が増えて、結局自分で書いた方が早い気がする
  • 事実・数値・固有名詞が絡むと、怪しくなる

この段階で重要になるのは、プロンプトを「文章術」ではなく、設計と工程管理として扱うことです。

この記事では、プロンプトを次の流れで整理します。

  • 分解(Decompose):作業を工程に切る
  • 評価(Evaluate):Rubricで採点できる条件を作る
  • 反復(Iterate):差分指示で最短で直す

この3つを手に入れると、AIの使い方が「くじ引き」から「工学」になります。

1. 中級者がハマる”伸びない理由”

1-1. 「良いプロンプト」を探し続けてしまう

中級者の多くは、最初にテンプレで成功体験を得ます。その後、「もっと良い呪文があるのでは?」という方向に行きがちです。

しかし実務で強いのは、”呪文”ではなく工程を組んだ依頼です。つまり、プロンプトを一発技にしないことが大切です。

1-2. 出力を評価できていない(直し方が毎回バラバラ)

「なんか違う」だけだと、修正も雑になります。中級者は、出力を採点できる基準(Rubric)に落とすと伸びます。

1-3. AIに判断させすぎている

複雑な依頼ほど、AIが補完する余地が増えます。補完が増えるほど、誤解が混ざる確率も上がります。中級者は「決めることは先に決める」方が勝ちやすいです。

2. 設計の基本6要素(初心者の4要素+2)

初心者の4要素(目的・文脈・条件・形式)に加えて、中級者は2つを足します。

要素 説明
1. 目的(Goal) 読み終えた状態/作りたい成果物
2. 文脈(Context) 用途・前提・読者
3. 条件(Constraints) やること/やらないこと
4. 形式(Format) Markdown・表・箇条書き・順序
5. 評価基準(Rubric)★ 採点できる言葉(Yes/No or 数)
6. 進め方(Process)★ 設計→実装→検査→改善

2-1. Rubric(評価基準)とは何か

Rubricは「採点表」です。例えば「わかりやすい記事」という曖昧な要求を、採点できる形にします。

例:ブログ記事のRubric(採点基準)

  • 結論が冒頭にある(Yes/No)
  • 各H2に具体例が1つ以上ある(Yes/No)
  • 章末に要点が3つある(Yes/No)
  • 読者が次に取れる行動が最低3つ提示されている(Yes/No)
  • 断定のしすぎがなく、前提や例外が補足されている(Yes/No)

こうすると、修正が「気分」ではなく「仕様変更」になります。

2-2. Process(進め方)は”やり直し前提”にすると強い

複雑な成果物は、いきなり完成を狙うと手戻りが増えます。中級者は次の順にすると安定します。

  1. 設計(構成・要点・狙い)
  2. 実装(本文や成果物)
  3. 検査(Rubricで点検)
  4. 改善(差分指示)

3. 2ターン(設計→実装)で一気に安定する

ここからが最重要です。中級者の最強ムーブは「1ターン目で構成だけ固める」ことです。

3-1. ターン1:構成案を3つ出させる

あなたはプロの編集者です。
テーマ「〇〇」について、ブログ記事の構成案を3つ出してください。
各案に「狙い」「想定読者」「結論(1文)」「H2/H3の見出し」「注意点(落とし穴)」を添えてください。

3-2. ターン2:採用案で本文を書かせる(Rubric込み)

案2を採用します。本文を書いてください。

目的:読者が明日から使える改善策を最低3つ持ち帰る。
Rubric:各H2に具体例、章末まとめ3つ、最後にチェックリスト10項目とFAQ7問。
形式:Markdown(目次→本文→まとめ→チェックリスト→FAQ)。
トーン:丁寧。断定しすぎず、例外や前提条件を一言添える。

3-3. 2ターン方式のメリット

  • 方向性のズレを早い段階で潰せる
  • 直しが「章単位」ではなく「構成単位」になる
  • 手戻りが劇的に減る
  • “思ってたのと違う”が起きにくい

4. Rubric(評価基準)の作り方:採点できる言葉にする

Rubricは、細かいほど良いわけではありません。中級者がまず作るなら「5項目」くらいが扱いやすいです。

4-1. Rubricの作り方(3ステップ)

  1. 最終目的を1文で書く
  2. その目的に必要な要素を3〜6個に分解する
  3. 各要素を「Yes/No」または「数」で測れる形にする

4-2. 用途別Rubric例

説明記事用Rubric

  • 結論が冒頭にある(Yes/No)
  • 例が各章に1つ以上ある(数)
  • 専門用語は初出で説明されている(Yes/No)
  • 読者が次に取る行動が3つある(数)
  • まとめが「要点3つ」になっている(Yes/No)

提案骨子用Rubric

  • 課題が明確(前提も含む)
  • 解決策が課題に対応している
  • 効果が測れる(指標がある)
  • 反論ポイントと対策がある
  • 実行計画(最初の一歩)が書かれている

要約(意思決定)用Rubric

  • 結論が1文で言える
  • 根拠が3点で整理されている
  • リスクが列挙され、対応もある
  • 次のアクションが具体
  • 要確認(事実確認)が分離されている

4-3. AIに自己採点させる(便利だが使いどころ注意)

長くなりがちなので「重要案件」や「仕上げ」だけに使うのがおすすめです。

出力した文章を次のRubricで自己採点してください(5点満点×5項目)。
点数と、改善案を3つ出してください。

5. 差分指示の技術:修正が速い人の共通点

中級者が伸びる最大のポイントは、「修正指示」が上手いことです。感想ではなく、差分(変更点)として伝えると、AIは一気に直しやすくなります。

5-1. 差分指示テンプレ

方向性は良いです。次の差分を反映してください。
1) (問題)〇〇が抽象的 → (対応)具体例を1つ追加
2) (問題)〇〇が長い → (対応)2文に分割し、結論を先に
3) (問題)〇〇が強い断定 → (対応)前提条件と例外を一言添える
出力形式は同じ(Markdown)でお願いします。

5-2. “良い差分指示”の条件

  • どこが問題か(場所が分かる)
  • どう直すか(動詞で具体的)
  • 形式は変えるのか(変えないのか)
  • 直したらどうなってほしいか(目的)

5-3. ズレの種類から直すテンプレ

差分指示が書けないときは、ズレを分類してしまうと楽です。

ズレの種類 説明
①方向性 何を言いたいかが違う
②深さ 浅い/深すぎる
③形式 表が欲しいのに文章、など
④トーン 強い、硬い、軽い
⑤根拠 事実が怪しい、要確認がない
ズレの種類:①方向性/②深さ/③形式/④トーン/⑤根拠 のうち(該当)
修正内容:
- (どこが)〇〇
- (どうする)〇〇に直す
注意:形式は維持(または変更)

6. 反復プロトコル:やり直しを前提にする

中級者以降は、最初から「改善ループ」を組んだ方が速いです。

6-1. 反復の基本プロトコル(おすすめ)

  1. 初稿:構成と要点を揃える
  2. 改善1:具体例を増やす
  3. 改善2:冗長さを削る/文章を整える
  4. 改善3:チェックリスト・FAQで実行に落とす

6-2. “改善の順番”を誤ると沼る

よくある失敗は、最初から語尾や表現だけ直すことです。まずは「内容の骨格(構成・具体例・結論)」を固め、その後に文章を磨く方が速いです。

7. ケース別テンプレ(記事/要約/企画/コード/調査)

ここでは、再現性が高いテンプレを用途別にまとめます。「1回の依頼で終わらない」設計にしているのがポイントです。

7-1. 記事:構成→本文→検査の3点セット

構成

テーマ「〇〇」の記事構成案を3つ。各案に狙い・結論(1文)・注意点を付けて。

本文

採用案で本文を書いて。Rubric:各H2に例、章末まとめ3つ、最後にチェックリストとFAQ。

検査

この本文をRubricで点検し、足りない箇所だけ追記してください。

7-2. 要約:目的別に出力を分ける

次の文章を要約してください。
出力:
1) 一言結論(1文)
2) 要点(箇条書き7つ)
3) 意思決定用(結論/根拠/リスク/次のアクション)
(本文)

7-3. 企画:大量生成→評価→絞り込み

テーマ「〇〇」で企画案を20個出してください。
制約:現実的、予算小さめ、差別化ポイントを必ず1つ。
出力:表(タイトル/狙い/想定読者/差別化/必要素材/リスク)。

次に評価して絞る:

上の企画案を評価してください。基準は「実現可能性」「独自性」「成果の測りやすさ」。
上位5つを選び、改善案も書いてください。

7-4. コード:原因切り分けを”最短ルート”で

次の不具合について、原因候補を優先度順に5つ挙げてください。
その後、最短で切り分ける検証手順をステップで提示してください。
最後に暫定回避策と根本解決策を分けてください。
(状況・ログ・コード)

7-5. 調査:推測で埋めさせない

不明な点は不明と書き、推測で補完する場合は「推測」と明記してください。
事実確認が必要な項目は「要確認リスト」として最後にまとめてください。
(テーマ)

8. 幻覚(それっぽい誤り)を抑える指定

中級者が実務で怖いのは「自信満々の誤り」です。対策は、プロンプトに”扱い方”を組み込むことです。

8-1. 幻覚対策フレーズ(コピペ)

確証がない内容は断定せず「要確認」と明記してください。
推測で補完する場合は「推測」と明記してください。
事実と意見を分けて書いてください。

8-2. 「ここは自信がない」を出させる

回答の中で、確度が低い箇所を3つ挙げ、なぜ確度が低いかを書いてください。

9. チートシート(1枚まとめ)

最短フレーム(中級者版:6要素)

  • 目的(Goal):読み終えた状態/作りたい成果物
  • 文脈(Context):用途・前提・読者
  • 条件(Constraints):やること/やらないこと(3〜7個)
  • 形式(Format):Markdown・表・箇条書き・順序
  • 評価基準(Rubric):採点できる言葉(Yes/No or 数)
  • 進め方(Process):設計→実装→検査→改善

最強の型:2ターン(設計→実装)

ターン1(設計)

構成案を3つ。各案に「狙い/結論1文/H2-H3/注意点」。

ターン2(実装)

案2で本文。Rubric:各H2に例、章末まとめ、チェックリスト、FAQ。形式はMarkdown。

差分指示テンプレ

方向性は良いです。次の差分を反映してください。
1)(問題)〇〇 →(対応)〇〇に修正
2)(問題)〇〇 →(対応)〇〇を追加
形式は同じでお願いします。

幻覚対策フレーズ

確証がない内容は断定せず「要確認」と明記してください。
推測で補完する場合は「推測」と明記してください。
事実と意見を分けて書いてください。

10. まとめ:中級者は”うまい依頼”より”改善できる仕組み”を持つ

中級者のプロンプト上達は、文章の巧さではなく、設計の再現性です。

中級者が身につけるべき4つの習慣
・分解して工程にする
・Rubricで評価可能にする
・差分指示で最短修正する
・2ターン(設計→実装)を習慣にする

これだけで、AIの出力は「当たり外れ」から「安定」へ移行します。

11. チェックリスト(中級者版)

  • ☐ Goal / Context / Constraints / Format を明記した
  • ☐ Rubric(評価基準)を3〜6項目で用意した
  • ☐ Process(設計→実装→検査→改善)を組んだ
  • ☐ 2ターン(設計→実装)で作った
  • ☐ 修正は差分指示で行った
  • ☐ 幻覚対策(要確認/推測明記)を入れた
  • ☐ 最後にチェックリストとFAQで”実行可能”にした

12. FAQ(中級者版)

Q1. 2ターンに分けると遅くなりませんか?

手戻りが減るので、総時間は短くなることが多いです。特に長文ほど効果が出ます。

Q2. Rubricはどれくらい細かく作るべきですか?

最初は5項目程度がおすすめです。細かすぎると運用が重くなります。

Q3. 差分指示がうまく書けません

「問題→対応」をセットで書くと安定します。例:「抽象的→例を追加」「長い→2文に分割」「断定→前提条件を補足」。

Q4. AIの答えが冗長になりやすいです

形式で「1段落は3〜5行」「章末まとめ3つ」を指定すると締まります。

Q5. 調査系で誤りが混ざるのが不安です

「要確認リスト」「推測は推測」「事実と意見を分ける」をテンプレに固定してください。

Q6. 初心者と中級者の違いは何ですか?

初心者は「テンプレを使う」、中級者は「テンプレを育てる」です。Rubricと差分指示で、自分専用の型を作れるようになると中級者卒業です。

Q7. 実務でRubricを使う時間がありません

最初は「よく使う3つの用途」だけRubricを作ってください。それを使い回すうちに、自然と定着します。

次のステップ
ここまで読んだら、次は「あなたのよくやる作業」にRubricを作ってみてください。たとえば「記事」「要約」「提案」「仕様整理」のどれか1つでも、評価基準があるだけで改善が速くなります。

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