「最近Chromeがもっさりする」「タブを切り替えるだけで固まる」「スクロールがカクつく」「ファンが回りっぱなし」…。
こんな症状に悩まされていませんか?
Google Chromeは世界で最も使われているウェブブラウザであり、高速で多機能なことが魅力です。しかし、長期間使い続けているとタブ・拡張機能・キャッシュ・設定の積み重なりによって、体感速度が落ちやすいブラウザでもあります。
「以前はサクサク動いていたのに…」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Chromeが重くなる原因を特定し、初心者でも迷わないように“効く順番”で、Chromeを軽くする方法を徹底的にまとめました。
特に、上級者向けの設定であるchrome://flagsについては、具体的なフラグの一覧と設定方法まで詳しく解説しています。
Mac / Windowsどちらでも使える手順を中心に書いていますので、ぜひ参考にしてください。
- まずは切り分け:遅いのは「Chrome」?「特定サイト」?
- いきなり効く「3つの即効薬」
- 原因特定:Chromeのタスクマネージャで”犯人”を見つける
- タブを減らすだけで速くなる:メモリセーバーをONにする
- 拡張機能は”便利税”:重い原因の定番
- キャッシュ削除で速くなる?結論と正しいやり方
- 設定リセット:知らないうちに重くなる設定を”工場出荷状態”に戻す
- ハードウェアアクセラレーション:スクロールのカクつき対策
- chrome://flagsで高速化:試験運用機能を使いこなす【詳細解説】
- flagsとは何か?
- flagsページへのアクセス方法
- flagsの基本的な使い方
- flags運用の鉄則【重要】
- 高速化に効果が期待できるflags一覧【2026年版】
- 1. Smooth Scrolling(スムーズスクロール)
- 2. GPU Rasterization(GPUラスタライゼーション)
- 3. Parallel Downloading(並列ダウンロード)
- 4. Override Software Rendering List(ソフトウェアレンダリングリストの上書き)
- 5. QUIC Protocol(QUICプロトコル)
- 6. Back-forward Cache(バックフォワードキャッシュ / bfcache)
- 7. Tab Scrolling(タブスクロール)
- 8. Heavy Ad Intervention(重い広告への介入)
- 9. Lazy Frame Loading(遅延フレーム読み込み)
- 10. Lazy Image Loading(遅延画像読み込み)
- 11. WebAssembly Baseline Compilation(WebAssemblyベースラインコンパイル)
- 12. Vulkan(Vulkan グラフィックスAPI)
- 13. WebGPU(次世代グラフィックスAPI)
- 14. Zero-copy Rasterizer(ゼロコピーラスタライザー)
- 15. Canvas 2D API Improvements(Canvas 2D API改善)
- flagsの設定例:おすすめの組み合わせ
- flagsのトラブルシューティング
- それでも遅いときの”最後の2枚”
- まとめ:最短で効かせるチェックリスト
- FAQ:よくある質問
- 最後に
まずは切り分け:遅いのは「Chrome」?「特定サイト」?
高速化の作業に入る前に、まず原因をざっくり切り分けることが重要です。闘雲に設定をいじっても、的外れな対策では時間の無駄になってしまいます。
Chromeの遅さは、大きく分けて2つのパターンに分類できます。
パターンA:特定サイトだけ遅い場合
以下のような症状があれば、このパターンに該当します。
- SNS(X / Facebook / Instagramなど)を開くとCPU使用率が跳ね上がる
- 動画サイト(YouTube / Netflix / Amazon Prime Videoなど)でカクつく
- 特定の管理画面(WordPressなど)だけが異常に重い
- Google マップやGoogle Earthなど地図系サービスが遅い
- 同じサイトを開くと、毎回同じ症状が再現する
主な原因として考えられるもの:
- そのサイトのキャッシュ/Cookieが破損している
- 特定の拡張機能がそのサイトと相性が悪い
- ハードウェアアクセラレーションの設定が合っていない
- サイト側のJavaScriptが重い(これはユーザー側では対処しにくい)
パターンB:何をしても全体的に遅い場合
以下のような症状があれば、このパターンに該当します。
- 新しいタブを開くだけでも数秒かかる
- アドレスバーへの入力に遅延がある
- ページのスクロールが全体的にカクつく
- Chromeを起動するだけで時間がかかる
- 他のアプリケーションは普通に動くのに、Chromeだけ重い
主な原因として考えられるもの:
- 開いているタブが多すぎる
- インストールした拡張機能が多すぎる、または重い拡張機能がある
- Chromeの設定やプロファイルが劣化している
- Chromeのバージョンが古い
- PC自体のメモリ不足やストレージの空き容量不足
どちらのパターンに該当するかを把握した上で、以降の対策を進めていきましょう。
いきなり効く「3つの即効薬」
複雑な設定をいじる前に、まずは簡単にできて効果が出やすい方法から試しましょう。意外とこれだけで解決することも多いです。
即効薬①:Chromeを一度再起動する
「え、それだけ?」と思うかもしれませんが、侮れません。
Chromeは長時間起動しっぱなしにしていると、メモリの使用量が徐々に増加していく傾向があります。これは「メモリリーク」と呼ばれる現象で、使い終わったはずのメモリが解放されずに残ってしまうことで発生します。
特に、タブを開いては閉じ、開いては閉じ…を繰り返していると、このメモリリークが蓄積されやすくなります。
Chromeを完全に終了する方法:
- Windows:右上の「×」ボタンで閉じる。タスクバーにChromeが残っている場合は右クリック→「ウィンドウを閉じる」
- Mac:メニューバーの「Chrome」→「Google Chromeを終了」または
Cmd + Q
バックグラウンドで動作している場合もあるため、完全に終了させることがポイントです。
即効薬②:PC自体も再起動する
Chrome単体の再起動で改善しない場合は、PC全体を再起動してみましょう。
再起動することで以下の効果が期待できます。
- メモリの断片化が解消される
- 常駐アプリケーションの影響がリセットされる
- OSレベルのキャッシュがクリアされる
- 一時ファイルが削除される
「最後にPCを再起動したのはいつですか?」と聞くと、「1週間以上前」「1ヶ月前」という方も少なくありません。定期的な再起動は、PC全体のパフォーマンス維持にも効果的です。
即効薬③:Chromeを最新版に更新する
Chromeは頻繁にアップデートが行われており、パフォーマンスの最適化やバグ修正が含まれています。古いバージョンのまま使い続けていると、せっかくの改善が反映されません。
また、セキュリティの観点からも、最新版を使用することが推奨されています。
Chromeの更新手順:
- 右上の「︙」(三点メニュー)をクリック
- 「ヘルプ」を選択
- 「Google Chromeについて」をクリック
- 自動的に更新がチェックされ、必要に応じてダウンロードが開始される
- 「再起動」ボタンが表示されたらクリックして更新を完了
更新が完了すると、現在のバージョン番号が表示されます。「Chromeは最新の状態です」と表示されれば、更新は不要です。
原因特定:Chromeのタスクマネージャで”犯人”を見つける
即効薬で解決しない場合は、何がChromeを重くしているのかを特定する必要があります。
Chromeには、タブや拡張機能ごとのリソース使用状況を確認できる専用のタスクマネージャが搭載されています。これを使えば、「どのタブが重いのか」「どの拡張機能がCPUを使っているのか」が一目でわかります。
タスクマネージャの起動方法
最も簡単なのはキーボードショートカットです。
- Windows / Mac共通:
Shift + Esc
または、メニューからアクセスすることもできます。
- 右上の「︙」(三点メニュー)をクリック
- 「その他のツール」を選択
- 「タスクマネージャ」をクリック
タスクマネージャの見方
タスクマネージャを開くと、以下のような情報が表示されます。
| 項目 | 説明 | 目安 |
|---|---|---|
| タスク | タブや拡張機能の名前 | – |
| メモリ使用量 | そのプロセスが使用しているRAMの量 | 1タブあたり100〜300MB程度が一般的 |
| CPU | そのプロセスが使用しているCPUの割合 | 通常は0〜5%程度。高いと問題 |
| ネットワーク | 通信量 | 動画再生時などは高くなる |
| GPUメモリ | グラフィック処理に使用しているメモリ | 動画やアニメーション系で増加 |
チェックすべきポイント
CPU使用率が高いプロセス
CPUが常に高い状態だと、以下のような症状が発生します。
- キーボード入力に遅延が発生する
- マウスカーソルがカクつく
- PCのファンが回りっぱなしになる
- バッテリーの消耗が早くなる(ノートPC)
メモリ使用量が異常に多いプロセス
メモリを大量に消費していると、以下のような症状が発生します。
- タブの切り替えが遅い
- 新しいタブを開くのに時間がかかる
- PC全体の動作が重くなる
GPUメモリを大量に使っているプロセス
GPUメモリの使用量が高いと、以下のような症状が発生します。
- スクロールがカクつく
- 動画再生が不安定
- アニメーションがスムーズに動かない
問題のあるプロセスへの対処
タスクマネージャで”犯人”を特定したら、以下の方法で対処します。
- 問題のあるプロセスを選択
- 右下の「プロセスを終了」をクリック
これにより、そのタブや拡張機能が強制終了されます。保存していない作業がある場合は注意してください。
- タブが原因の場合:そのタブを閉じるか、後で確認する
- 拡張機能が原因の場合:後述の手順で無効化または削除を検討
タブを減らすだけで速くなる:メモリセーバーをONにする
「気づいたらタブが30個開いている」「調べ物をしていたら、いつの間にかタブだらけ」…こんな経験はありませんか?
Chromeでは、開いているタブごとに個別のプロセスが動作しています。つまり、タブを開けば開くほど、メモリとCPUを消費することになります。
メモリセーバー機能とは
Chrome 108以降で導入された「メモリセーバー」機能は、使っていないタブを自動的に休眠状態(サスペンド)にして、メモリを節約する機能です。
休眠中のタブはメモリを解放するため、アクティブなタブのパフォーマンスが向上します。タブをクリックすると自動的に再読み込みされるので、使い勝手はほとんど変わりません。
メモリセーバーの設定手順
- 右上の「︙」(三点メニュー)をクリック
- 「設定」を選択
- 左メニューから「パフォーマンス」をクリック
- 「メモリセーバー」をONにする
メモリセーバーのモード選択
メモリセーバーには、いくつかのモードがあります。
| モード | 説明 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| バランス重視 | 適度にメモリを節約。再読み込みの頻度が少ない | ★★★(まずはこれ) |
| 最大限の節約 | 積極的にメモリを解放。再読み込みが増える | ★★(メモリ不足が深刻な場合) |
「常にアクティブにするサイト」の設定
メールやチャット、管理画面など、常に最新の状態を保ちたいサイトは、休眠させないように設定できます。
- メモリセーバーの設定画面で「常にアクティブにするサイト」の「追加」をクリック
- 除外したいサイトのURLを入力
除外しておくと便利なサイトの例:
- Webメール(Gmail / Outlook / Yahoo!メールなど)
- チャットツール(Slack / Discord / Teamsなど)
- 通知が必要なサービス(カレンダー / タスク管理など)
- 音楽ストリーミング(Spotify / Apple Musicなど)
拡張機能は”便利税”:重い原因の定番
Chromeの拡張機能は非常に便利ですが、導入しすぎると確実に重くなります。これは「便利税」と考えてよいでしょう。
拡張機能の中には、常にバックグラウンドで動作しているものが多く、知らないうちにCPUやメモリを消費しています。
拡張機能の棚卸しが超大事
まずは、現在インストールされている拡張機能を確認しましょう。
確認手順:
- 右上の「︙」(三点メニュー)をクリック
- 「拡張機能」を選択
- 「拡張機能を管理」をクリック
ここで表示される拡張機能の一覧を見て、以下の基準で整理します。
- 使っていないもの → 削除
- たまにしか使わないもの → 無効化(OFFにする)
- 毎日使うもの → そのまま(ただし、重いかどうかは確認)
重い拡張機能の傾向
以下のような拡張機能は、便利な反面、Chromeを重くする原因になりやすいです。
広告ブロッカー系
uBlock Origin / AdBlock / AdBlock Plus などが該当します。フィルターリストを大量に追加していると、ページ読み込み時の処理が重くなります。
対策:フィルターリストを見直し、必要最小限にする
パスワード管理・自動入力系
LastPass / 1Password / Bitwarden などが該当します。ページ内のフォームを常に監視しているため、負荷がかかります。
対策:本当に必要なサイトでのみ動作するように設定
翻訳・読み上げ・AI要約系
Google翻訳 / DeepL / 各種AI拡張機能などが該当します。ページ内容を解析するため、ページ読み込み時に負荷がかかります。
対策:必要な時だけONにする
開発者向けツール
React Developer Tools / Vue.js devtools / Lighthouse などが該当します。DevToolsと常時連携したり、リクエストを監視したりするため重くなります。
対策:開発時以外は無効化する
スクリーンショット・画面録画系
Full Page Screen Capture / Loom などが該当します。ページのレンダリングに影響を与えることがあります。
特定サイトでの動作を制限する
「全体では使いたいけど、特定のサイトでは動作させたくない」という場合は、拡張機能のサイトアクセス設定を変更できます。
- 拡張機能の管理画面で、対象の拡張機能をクリック
- 「サイトへのアクセス」の設定を確認
- 「特定のサイト」を選択し、許可するサイトを指定
これにより、不要なサイトでの拡張機能の動作を防ぎ、パフォーマンスを改善できます。
キャッシュ削除で速くなる?結論と正しいやり方
「Chromeが重い=キャッシュを削除すれば直る」と思っている方が多いですが、キャッシュ削除は万能薬ではありません。
キャッシュ削除が効くケースと効かないケースを理解した上で、適切に対処しましょう。
キャッシュ削除が効くケース
- 表示が崩れる / 画像が古いまま更新されない:キャッシュされた古いファイルが原因
- ログイン状態がおかしい / セッションエラーが出る:Cookieやセッションデータの破損
- 特定サイトでだけ遅い / 挙動がおかしい:そのサイトのキャッシュが破損している可能性
- ストレージの空き容量が少ない:キャッシュが大量に蓄積されている(数GB単位になることも)
キャッシュ削除が効きにくいケース
- CPUが常に高い状態:拡張機能やタブの問題が原因のことが多い
- メモリが足りない:タブの開きすぎや他のアプリケーションが原因
- ネット回線が遅い:Wi-Fiの電波状況 / ルーターの問題 / 回線の品質
- Chrome自体の動作が重い:プロファイルの劣化や設定の問題
キャッシュ削除の正しいやり方(3段階)
キャッシュ削除は、影響範囲を考慮して段階的に行うのがおすすめです。
レベル1:まずは”そのサイトだけ”消す【推奨】
「遅いのが特定サイトだけ」なら、これが一番安全で効果的です。全体のキャッシュを消す必要はありません。
手順:
- 遅い・おかしいサイトをChromeで開く
- アドレスバーの左にあるアイコン(鍵マーク / スライダーなど)をクリック
- 「サイトの設定」を選択
- 「データを削除」または「ストレージを消去」をクリック
- そのタブを再読み込み(
F5またはCtrl + R/Cmd + R)
注意点:
- サイトによってはログアウトされます
- 削除前にパスワードを確認しておくと安心
レベル2:期間を絞って消す【現実的】
特定サイトの削除で解決しない場合は、期間を絞って削除しましょう。
手順:
- 右上の「︙」→「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 「閲覧履歴データの削除」をクリック
- 「期間」を「過去1週間」または「過去4週間」に設定
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「データを削除」をクリック
チェック項目の説明:
| 項目 | 削除される内容 | 影響 |
|---|---|---|
| 閲覧履歴 | 訪問したサイトの履歴 | 履歴が消える |
| Cookieとサイトデータ | ログイン情報など | 多くのサイトからログアウト |
| キャッシュされた画像とファイル | 一時保存されたファイル | 影響は少ない(再ダウンロードが発生) |
ポイント:
- まずは「キャッシュされた画像とファイル」のみで試す
- Cookieを消すとログアウトが増えるので、まずはキャッシュだけが無難
レベル3:全期間を削除【最終手段】
何をしても挙動がおかしい場合、または何年もキャッシュを掃除していない場合は、全期間の削除を検討します。
手順:
- 上記と同じ手順で「閲覧履歴データの削除」を開く
- 「期間」を「全期間」に設定
- 必要な項目にチェックを入れて削除
注意点:
- ほぼすべてのサイトからログアウトされる
- パスワードマネージャーにパスワードが保存されているか事前に確認
- 削除後は各サイトへの再ログインが必要
設定リセット:知らないうちに重くなる設定を”工場出荷状態”に戻す
拡張機能やマルウェア、怪しいソフトウェアによって、Chromeの設定が勝手に変更されていることがあります。
例えば、以下のような症状がある場合は、設定リセットが有効です。
- 知らないうちにホームページやデフォルトの検索エンジンが変わっていた
- 勝手に拡張機能がインストールされていた
- 何をしても動作が重い
設定リセットの手順
- 右上の「︙」→「設定」
- 左メニューで「設定のリセット」をクリック
- 「設定を元の既定値に戻す」をクリック
- 確認ダイアログで「設定のリセット」をクリック
設定リセットで変更される内容
| リセットされる | リセットされない |
|---|---|
| デフォルトの検索エンジン | ブックマーク |
| ホームページとタブ | 保存したパスワード |
| 新しいタブページ | 閲覧履歴 |
| 固定したタブ | サイトの権限設定 |
| コンテンツの設定(Cookie、画像など) | – |
| 拡張機能(無効化される) | – |
| テーマ | – |
ポイント:
- ブックマークやパスワードは消えないので、比較的安心して実行できる
- 拡張機能は削除されずに無効化されるため、必要なものは後から再度有効化できる
ハードウェアアクセラレーション:スクロールのカクつき対策
ハードウェアアクセラレーションは、GPUを使って画面描画を高速化する機能です。Chromeではデフォルトで有効になっています。
しかし、PC環境(特にGPUドライバ)との相性問題で、かえって動作が重くなることがあります。
ハードウェアアクセラレーションの影響
ONにすると改善する可能性がある症状:
- ページの描画が遅い
- 動画再生がスムーズでない
- WebGLを使ったコンテンツが遅い
OFFにすると改善する可能性がある症状:
- スクロールがガタつく / ジャンプする
- 動画再生が不安定 / ちらつく
- 画面が真っ白になることがある
- GPUエラーが頻発する
設定の変更方法
- 右上の「︙」→「設定」
- 左メニューの「システム」をクリック
- 「ハードウェア アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」のON/OFFを切り替え
- 「再起動」をクリックしてChromeを再起動
確認のポイント
設定変更後は、必ずChromeを再起動してから体感を比較してください。
また、GPUの情報や動作状況は chrome://gpu で確認できます。「Graphics Feature Status」の項目が「Hardware accelerated」になっているかどうかをチェックしましょう。
chrome://flagsで高速化:試験運用機能を使いこなす【詳細解説】
ここからは、上級者向けの設定である「chrome://flags」について詳しく解説します。
flagsは、Chromeの試験運用中の機能や隠し設定を切り替えるスイッチです。正式リリース前の実験的な機能を有効化したり、デフォルトの挙動を変更したりできます。
flagsとは何か?
Google Chromeには、一般ユーザー向けの設定画面には表示されない、数多くの試験的機能(Experimental Features)が存在します。
これらは以下の目的で用意されています。
- 新機能のテスト:正式リリース前に一部ユーザーに試してもらう
- 開発者向け機能:Web開発者がテストに使用する機能
- パフォーマンスチューニング:特定の環境に最適化するための設定
- 互換性対策:古いシステムとの互換性を維持するための設定
flagsページへのアクセス方法
Chromeのアドレスバーに以下のURLを入力してEnterキーを押します。
chrome://flags
黄色い警告バナーが表示されますが、これは「試験運用機能なので、動作が不安定になる可能性がある」という注意喚起です。
flagsの基本的な使い方
各flagsには、以下の設定値があります。
| 設定値 | 説明 |
|---|---|
| Default | Chromeのデフォルト設定(自動判断) |
| Enabled | 機能を有効化 |
| Disabled | 機能を無効化 |
検索機能を活用する:
flagsページの上部には検索ボックスがあります。目的のflagを探す際は、キーワードで検索すると効率的です。
変更後の再起動:
設定を変更すると、ページ下部に「Relaunch」ボタンが表示されます。このボタンをクリックするとChromeが再起動し、変更が反映されます。
flags運用の鉄則【重要】
flagsを使う際は、以下のルールを守ることで、トラブルを最小限に抑えられます。
ルール1:1つずつ変更する
複数のflagsを同時に変更すると、問題が発生した際にどの設定が原因かわからなくなります。必ず1つ変更 → 再起動 → 体感チェック、というサイクルを守りましょう。
ルール2:変更内容をメモしておく
変更したflagsの名前と設定値をメモしておきましょう。後から元に戻す際に役立ちます。
ルール3:不調時は「Reset all」
何か問題が発生したら、flagsページの右上にある「Reset all」ボタンをクリックして、すべてのflagsをデフォルトに戻します。
ルール4:定期的に見直す
Chromeのアップデートにより、flagsは追加・削除・名称変更されることがあります。定期的に確認し、不要になったflagsを整理しましょう。
高速化に効果が期待できるflags一覧【2026年版】
以下に、パフォーマンス向上に効果が期待できるflagsを紹介します。
重要な注意点:
- flagsはChromeのバージョンやOSによって存在しない場合があります
- 検索しても見つからない場合は、そのflagは削除されたか、名称が変更された可能性があります
- 効果には個人差があり、環境によっては逆効果になることもあります
1. Smooth Scrolling(スムーズスクロール)
検索キーワード: Smooth Scrolling
説明:
スクロール時のアニメーションを滑らかにする機能です。デフォルトで有効になっていることが多いですが、環境によってはDisabledの場合があります。
効果が期待できる症状:
- スクロールがガタつく / カクカクする
- スクロールが引っかかる感じがする
- マウスホイールの動きがぎこちない
推奨設定:
- カクつく場合 →
Enabled - 滑らかすぎて気持ち悪い場合 →
Disabled
2. GPU Rasterization(GPUラスタライゼーション)
検索キーワード: GPU rasterization
説明:
ページのレンダリング(描画)処理をGPUで行う機能です。CPUの負荷を軽減し、描画を高速化する効果が期待できます。
効果が期待できる症状:
- ページの描画が遅い
- 画像の多いページで重くなる
- スクロール時に描画が追いつかない
推奨設定:
- GPUがそこそこ高性能なPC →
Enabled - 古いPCや統合GPUのPC →
DefaultまたはDisabled
注意点:
GPUによっては相性問題が発生することがあります。有効化して問題が出たらすぐに戻しましょう。
3. Parallel Downloading(並列ダウンロード)
検索キーワード: Parallel downloading
説明:
大きなファイルをダウンロードする際に、複数の接続を使って並列にダウンロードする機能です。ダウンロード速度が向上する可能性があります。
効果が期待できる症状:
- 大容量ファイル(100MB以上)のダウンロードが遅い
- ダウンロード速度が回線速度より明らかに遅い
推奨設定: Enabled
注意点:
一部のサーバーでは並列ダウンロードに対応していないため、効果がない場合もあります。普段のブラウジングには影響しません。
4. Override Software Rendering List(ソフトウェアレンダリングリストの上書き)
検索キーワード: Override software rendering list
説明:
Chromeは、特定のGPUでは問題が発生する可能性があるため、ソフトウェアレンダリング(CPU描画)にフォールバックすることがあります。このflagを有効にすると、そのブラックリストを無視してGPUを使用するようになります。
効果が期待できる症状:
- GPUがあるのにソフトウェアレンダリングになっている(
chrome://gpuで確認可能) - ハードウェアアクセラレーションが効いていない
推奨設定: Enabled(ただし自己責任で)
注意点:
ブラックリストに入っているGPUには理由があります。有効化して不安定になったら元に戻してください。
5. QUIC Protocol(QUICプロトコル)
検索キーワード: QUIC または Experimental QUIC protocol
説明:
QUIC(Quick UDP Internet Connections)は、Googleが開発した次世代通信プロトコルです。TCPよりも高速で、接続確立やパケット再送が効率化されています。
効果が期待できる症状:
- Google関連サービス(YouTube、Gmail、Googleドライブなど)の読み込みが遅い
- ネットワーク接続が不安定な環境
推奨設定: Enabled
注意点:
一部の企業ネットワークやファイアウォールでは、QUICがブロックされている場合があります。その場合は効果がないか、逆に遅くなる可能性があります。
6. Back-forward Cache(バックフォワードキャッシュ / bfcache)
検索キーワード: back-forward cache または bfcache
説明:
ブラウザの「戻る」「進む」ボタンを押した際に、ページを再読み込みせずにキャッシュから瞬時に表示する機能です。
効果が期待できる症状:
- 「戻る」ボタンを押すと毎回ページが読み込まれる
- 「戻る」→「進む」の操作が遅い
推奨設定: Enabled
注意点:
一部のサイト(特に動的なコンテンツが多いサイト)では、正常に動作しないことがあります。
7. Tab Scrolling(タブスクロール)
検索キーワード: Tab Scrolling
説明:
多数のタブを開いた際に、タブバーをスクロールできるようにする機能です。タブが圧縮されて見えにくくなるのを防ぎます。
効果が期待できる症状:
- タブを大量に開く習慣がある
- タブが小さくなりすぎてタイトルが見えない
推奨設定: Enabled
派生オプション:
Tab Scrolling Buttons– スクロールボタンを表示Tab Scrolling Overflow– オーバーフロー時の挙動を変更
8. Heavy Ad Intervention(重い広告への介入)
検索キーワード: Heavy Ad Intervention
説明:
CPU・メモリ・ネットワークを大量に消費する「重い広告」を自動的にブロックまたは制限する機能です。
効果が期待できる症状:
- 広告が多いサイトで動作が重い
- 特定の広告でCPUが跳ね上がる
- 広告ブロッカーを使っていないが、広告の負荷を軽減したい
推奨設定: Enabled
注意点:
広告主やサイト運営者には影響を与えますが、ユーザー体験は向上します。
9. Lazy Frame Loading(遅延フレーム読み込み)
検索キーワード: Lazy frame loading
説明:
画面外にあるiframe(埋め込みコンテンツ)を、画面に表示されるまで読み込まないようにする機能です。初期読み込みを高速化できます。
効果が期待できる症状:
- 埋め込みコンテンツ(動画、地図、SNSウィジェットなど)が多いページが重い
- ページの初期表示が遅い
推奨設定: Enabled
10. Lazy Image Loading(遅延画像読み込み)
検索キーワード: Lazy image loading
説明:
画面外にある画像を、スクロールして表示範囲に入るまで読み込まないようにする機能です。
効果が期待できる症状:
- 画像が大量にあるページの読み込みが遅い
- 通信量を節約したい(モバイル環境など)
推奨設定: Enabled
注意点:
最近のChromeではデフォルトで有効になっていることが多いです。
11. WebAssembly Baseline Compilation(WebAssemblyベースラインコンパイル)
検索キーワード: WebAssembly baseline
説明:
WebAssembly(Wasm)の初期コンパイルを高速化する機能です。WebAssemblyを使用したWebアプリの起動が速くなります。
効果が期待できる症状:
- WebAssemblyを使ったアプリ(Google Docs、Figma、Photoshopオンライン版など)の起動が遅い
- ブラウザゲームの読み込みが遅い
推奨設定: Enabled
12. Vulkan(Vulkan グラフィックスAPI)
検索キーワード: Vulkan
説明:
OpenGLの後継であるVulkan APIを使用してグラフィックス処理を行う機能です。対応GPUでは、より効率的な描画が可能になります。
効果が期待できる症状:
- WebGLコンテンツ(3Dグラフィックス、ゲームなど)が重い
- グラフィック処理が多いサイトでカクつく
推奨設定: Enabled(対応GPUの場合のみ)
注意点:
- すべてのGPUがVulkanに対応しているわけではありません
chrome://gpuで「Vulkan」がサポートされているか確認してください
13. WebGPU(次世代グラフィックスAPI)
検索キーワード: WebGPU
説明:
WebGLの後継となる次世代グラフィックスAPIです。より高性能な3Dグラフィックスや計算処理が可能になります。
効果が期待できる症状:
- 最新のWebアプリやゲームでパフォーマンスを向上させたい
- 機械学習系のWebアプリを使用する
推奨設定: Enabled
注意点:
WebGPU対応のコンテンツはまだ限られています。
14. Zero-copy Rasterizer(ゼロコピーラスタライザー)
検索キーワード: Zero-copy rasterizer
説明:
ラスタライズ(描画データの生成)時に、メモリコピーを削減して効率化する機能です。
効果が期待できる症状:
- ページの描画が遅い
- メモリ使用量が気になる
推奨設定: Enabled
15. Canvas 2D API Improvements(Canvas 2D API改善)
検索キーワード: Canvas または 2D canvas
説明:
HTML5 Canvasの2D描画APIを改善・高速化する機能群です。
効果が期待できる症状:
- Canvas要素を使ったコンテンツ(グラフ、チャート、ゲームなど)が重い
推奨設定: 関連flagを確認して Enabled
flagsの設定例:おすすめの組み合わせ
環境やニーズに応じた設定例を紹介します。
パターン1:一般的な高速化(初心者向け)
比較的安全で効果が期待できる設定です。
| flag | 設定 |
|---|---|
| Smooth Scrolling | Enabled |
| Parallel downloading | Enabled |
| Back-forward cache | Enabled |
| Lazy image loading | Enabled |
パターン2:GPU活用(GPUがそこそこ高性能なPC向け)
GPUの性能を活かした設定です。
| flag | 設定 |
|---|---|
| GPU rasterization | Enabled |
| Override software rendering list | Enabled |
| Vulkan | Enabled |
| Zero-copy rasterizer | Enabled |
パターン3:メモリ節約(メモリが少ないPC向け)
メモリ使用量を抑える設定です。
| flag | 設定 |
|---|---|
| Tab Scrolling | Enabled |
| Lazy frame loading | Enabled |
| Lazy image loading | Enabled |
| Heavy Ad Intervention | Enabled |
flagsのトラブルシューティング
flagsを変更後に問題が発生した場合の対処法です。
症状1:Chromeが起動しなくなった
- Chromeを完全に終了
- 以下のコマンドでChromeを起動(flagsをリセット)
Windows(コマンドプロンプト):
chrome.exe --disable-features=all
Mac(ターミナル):
/Applications/Google\ Chrome.app/Contents/MacOS/Google\ Chrome --disable-features=all
chrome://flagsにアクセスして「Reset all」をクリック
症状2:表示が崩れる / 画面が真っ白
- ハードウェアアクセラレーション関連のflagsを
Defaultに戻す - Chromeを再起動
- それでも直らない場合は「Reset all」
症状3:特定のサイトだけおかしい
- シークレットモードでそのサイトを開いてみる(拡張機能が無効化される)
- 問題が再現しなければ、拡張機能との相性問題
- 問題が再現すれば、flagsの影響の可能性 → 「Reset all」
それでも遅いときの”最後の2枚”
ここまでの対策を試しても改善しない場合は、以下の方法を試してみてください。
最終手段A:新しいプロファイルで試す
Chromeのプロファイル(ユーザーデータ)が破損していると、各種設定のリセットでは解決できないことがあります。新しいプロファイルを作成して、動作を比較してみましょう。
手順:
- 右上のプロフィールアイコンをクリック
- 「追加」を選択
- 新しいプロファイル名を入力して作成
新しいプロファイルでは、拡張機能もブックマークもない「まっさらな状態」になります。この状態でChromeが軽ければ、元のプロファイルに問題がある可能性が高いです。
元のプロファイルに問題がある場合の対処:
- 必要なブックマークをエクスポート → 新プロファイルにインポート
- 拡張機能を1つずつ再インストール(すべて入れると元に戻る可能性あり)
- パスワードはGoogleアカウント同期で復元可能
最終手段B:Chromeを再インストールする
プロファイルの問題ではない場合は、Chrome自体を再インストールすることで解決することがあります。
Windowsの場合:
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 「Google Chrome」を選択して「アンインストール」
- Google Chromeの公式サイトから最新版をダウンロード
- インストール
Macの場合:
- Finderで「アプリケーション」フォルダを開く
- 「Google Chrome」をゴミ箱にドラッグ
- (任意)以下のフォルダも削除すると完全にリセット:
~/Library/Application Support/Google/Chrome~/Library/Caches/Google/Chrome
- Google Chromeの公式サイトから最新版をダウンロード
- インストール
まとめ:最短で効かせるチェックリスト
Chromeが重いと感じたら、この順番でチェックしていくのがおすすめです。
- Chrome更新:最新版になっているか確認
- タスクマネージャ:
Shift + Escで犯人特定 - メモリセーバーON:パフォーマンス設定から有効化
- 拡張機能の棚卸し:不要なものはOFF/削除
- キャッシュ削除:まずはサイト単位 → 次に期間指定
- 設定リセット:設定を元の既定値に戻す
- ハードウェアアクセラレーション:ON/OFFを比較
- flags調整:最後に1つずつ試す
この順番で進めることで、多くの場合は原因を特定して解決できるはずです。
FAQ:よくある質問
Q. キャッシュ削除は毎日やるべき?
A. 基本的には不要です。
キャッシュは「一度読み込んだデータを再利用する」ための仕組みなので、削除するとすべてのサイトで再ダウンロードが発生します。毎日削除していると、かえって遅くなります。
削除するタイミング:
- 表示がおかしい時
- ログイン状態がおかしい時
- 特定サイトだけ遅い時
- ストレージの空き容量が少ない時
Q. flagsは有効にして放置でOK?
A. 定期的な確認をおすすめします。
Chromeがアップデートされると、flagsの仕様が変更されたり、削除されたりすることがあります。以前は効果があった設定が、新バージョンでは逆効果になる可能性もあります。
不調を感じたら:
chrome://flagsで「Reset all」- 再度必要なflagsを設定
Q. メモリセーバーで、タブが勝手に再読み込みされるのが嫌…
A. 「常にアクティブにするサイト」に追加しましょう。
メールやチャット、音楽再生など、常に最新状態を保ちたいサイトは除外設定できます。
- 「設定」→「パフォーマンス」→「メモリセーバー」
- 「常にアクティブにするサイト」の「追加」をクリック
- 除外したいサイトのURLを入力
Q. 拡張機能は何個まで入れて大丈夫?
A. 明確な上限はありませんが、10個以下が理想的です。
拡張機能の数よりも、何がインストールされているかが重要です。軽い拡張機能を20個入れるより、重い拡張機能を1つ入れる方が影響が大きいこともあります。
タスクマネージャで定期的にチェックして、CPU/メモリを大量に使っている拡張機能がないか確認しましょう。
Q. Chromeの代わりに別のブラウザを使った方がいい?
A. 状況によっては検討の価値があります。
同じChromium系のブラウザとして、以下の選択肢があります。
| ブラウザ | 特徴 |
|---|---|
| Microsoft Edge | メモリ効率が良い。Windows標準搭載 |
| Brave | 広告ブロック内蔵。プライバシー重視 |
| Vivaldi | カスタマイズ性が高い。タブ管理機能が充実 |
いずれもChrome拡張機能がそのまま使えます。ただし、Googleアカウントとの連携はChromeが最もスムーズです。
最後に
Chromeが重くなる原因は、タブの開きすぎ、拡張機能の入れすぎ、キャッシュの蓄積など、日常的な使用で少しずつ積み重なっていくものです。
この記事で紹介した方法を順番に試していけば、多くの場合は快適な状態を取り戻せるはずです。特に「タスクマネージャで犯人を特定する」というステップは、効率的なトラブルシューティングの第一歩として非常に有効です。
また、flagsの設定は上級者向けですが、効果が出た時の体感は大きいです。1つずつ慎重に試して、自分の環境に最適な設定を見つけてください。


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